6月5日、獣人界の物流業界に激震が走った。
モモンガ獣人による“空中宅配サービス”が正式に始動し、空を滑空する小型獣人たちが朝から晩まで荷物を配り続けている。
サービス名は「モモ配(ももはい)」。
最大の特徴は、滑空能力を活かした“渋滞ゼロの空中配達”という点。
都市部では「うちの庭に直接投下してくれるから助かる」「空から届くヨーグルトってなんか美味しい」と好評だ。
しかし、運用初日から予想外のトラブルも多発。
・ドアポストと勘違いして煙突に投下
・滑空中に荷物を落としてリス獣人の頭上直撃
・空中でカラス獣人のピカ活隊と接触、荷物をすべて持っていかれる
といった報告が相次ぎ、安全面への不安も高まっている。
モモ配の創業者であり配達員第1号のモモーニャ氏(37)は、「我々はただ、空を信じただけ」と語るが、
目の下にはクマができており、尾翼には“犬に追いかけられて噛まれた”という傷跡も残っていた。
環境省は、「新たな物流形態としての可能性は大いに認めつつ、滑空ルートの明確化とヘルメット着用の義務化が必要」と発表。
現在、モモンガ獣人用の空中交通法が急ピッチで整備されている。
一方、地上型配達業者からは「飛べるだけで選ばれるのはズルい」という声や、
「滑空じゃなくて急降下だろ」との批判もあり、空と地上の“配送戦争”が静かに幕を開けつつある。
高く飛ぶ夢は、時に落下と隣り合わせ。
それでも彼らは、空の彼方へ、今日も荷物と希望を運ぶ。
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