6月3日朝、北部森林帯にて、ダム建設に従事するビーバー獣人たちが突如作業を中断し、ストライキに突入した。
掲げられたプラカードには、「もう木は見たくない」「尾っぽが悲鳴を上げている」「我々にも休日を」と、どれも切実な声が並ぶ。
ビーバー獣人たちは、獣人界でも特に勤勉な種族として知られ、1日16時間労働も珍しくなかった。
特にダム建設やインフラ整備の現場では、「尻尾と歯だけで都市をつくる」という異名をもつほどだ。
今回のストライキを主導したのは、ベテラン職人のビーベル・カリ氏(62歳)。
彼は記者会見で「水の流れは止められても、我々の涙は止まらない」と語り、静かにダムの上から木の皮をかじって見せた。
ビーベル氏によれば、睡眠時間が“建材の乾燥時間”で管理されていたり、
「流されたら泳げばいい」の精神論がまかり通っていたという。
SNSでは「ついにビーバーが反旗を翻したか」「あんな勤勉な種族が泣くって、相当だぞ」と同情の声が多数。
一方、ダムの使用を前提にしていたカワウソ獣人たちからは「ふざけんな、こっちは滑り台待ちなんだ」との苦情も相次いでいる。
現在、獣人界労働調整庁は事態の沈静化に向けて動いており、「週休0.5日から1.5日へ」の調整案が浮上中。
ただし、ビーバー獣人たちは「最低でも3日は休ませろ」「そもそも働かせすぎ」と強硬姿勢を崩していない。
果たしてダムは完成するのか。
そして彼らの怒りの尾っぽは、どこへ水しぶきを飛ばすのか──。
獣人界インフラ史に、いま激震が走っている。
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