動かなすぎたカメ獣人がついに立ち上がる 6月1日は“運動不足警鐘デー”に制定

6月1日、獣人界保健福祉省は、急増する“座りっぱなし獣人”の健康リスクを受け、
本日を“運動不足警鐘デー”として公式に制定。特に動かないことで知られるカメ獣人たちに激震が走っている。

これまで「動かないのが美徳」「1日2歩が平均」とまで言われたカメ獣人たち。
だが最新調査によれば、長年の不動生活により内臓の位置が逆転した個体や、「動いてないのに疲れてる」と訴える若年層が急増。
さらには、移動手段の主流が自動甲羅スライダーになったことで、もはや自分の足を忘れたカメも少なくないという。

そんな中、中央甲羅区で発足した団体「脱・置物同盟」が記念イベントを主催。
カメ獣人らが一斉に立ち上がり、“1日10歩チャレンジ”を実施する姿は、道ゆく獣人たちに驚きと感動を与えた。

「今日、歩いた気がする。夢じゃなければ…ね」
そう語ったのは、イベント参加者のカメ獣人・スリノロ氏(83)。一歩一歩が地鳴りのように遅いが、確実に進む彼の背中に、周囲のチーター獣人やウサギ獣人も黙って拍手を送っていた。

なお、イベント後は筋肉痛で3週間動けなくなる個体が続出。
しかし参加者は一様に「これも進化の証」と語っており、SNSでは「動かないカメが動くと世界が揺れる」「まさか転んだだけでは?」など、賞賛と憶測が飛び交っている。

健康とは動くことではなく、動こうとする意志の発芽なのかもしれない。
そしてその最初の一歩が、今日、ついに踏み出された。

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