5月22日、南ジュングル地区で開催された恒例の「サル獣人おしゃれサングラス大会」が、予想外の展開で幕を閉じた。今年も全国から派手さと個性を競い合うサル獣人たちが集結し、色・形・きらめき・そして最重要審査項目“似合い度”でそのセンスを競った。
注目を集めたのは、前回の優勝者であるサルーング・ツワイド氏。今年はなんと、薄切り生肉をフレームに仕立てた“ミートグラサン”で登場し、会場を騒然とさせた。
「命の重みで視界がゆがむ」と自信満々に語ったツワイド氏だったが、その後SNS上で「食べ物で遊ぶな」「ヴィーガンへの配慮がなさすぎる」と猛烈な批判が巻き起こり、評価は一転。本人は「俺の目は、肉越しにしか未来を見られない」と呟いたまま退場していった。
そんな中、静かに現れたのが、丸渕の普通の黒縁メガネをかけたスナマ・ジメくん(5歳)。参加者全員がスパンコールやLED、羽根付きの超ド派手サングラスで決めるなか、彼はただ一人、真顔で普通のメガネをかけていた。だがその姿が、逆に際立ちすぎていた。
審査員の1人はこう語る。「彼のメガネは…似合いすぎていた。フレームが顔と溶け合っていた。あれは“演出”ではなく“存在”だった」。そして、スナマくんがメガネザル獣人だったという事実が明かされた瞬間、会場は静まり返ったのち、爆発的な拍手が巻き起こった。
最終的にスナマくんが満場一致で優勝。優勝コメントは「メガネは顔の一部です」だった。
なお、優勝副賞として贈られたのはサングラス型のチョコレート。彼は受け取った直後、無言でチョコをはずし、自分のメガネをもう一度そっとかけ直した。
真の“似合う”とは何か。
派手さでも奇抜さでもなく、その獣人らしさが滲み出るかどうか——
今年の大会は、それを静かに突きつけてくる結末となった。
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