5月18日、獣人気象庁が「今週末にも獣人界全域で梅雨入りする見通し」と発表した。
例年よりやや早いタイミングで湿度の高い日が続くと予測されており、衣類の乾きにくさや毛並みの広がりが懸念されるなか、今年はそれに加えて“ある特有の問題”が浮上している。
それが“雨が多い=シャワーを浴びなくていい”という獣人的思考によるスメルハラスメント問題だ。
特に屋外での活動が多い中型〜大型獣人を中心に、「濡れてるから洗えたことにする」「空気洗浄済み」など独自のロジックが横行しており、気づけば梅雨入り=“入浴オフ期間”と化している地域もあるという。
鼻のいい獣人たちにとってはこれが死活問題だ。
公共機関では「湿った毛に発酵臭が加わって鼻がもげた」「水気を帯びたイタチの群れに包囲された感覚」などの被害報告が相次いでおり、都市部では“換気マスクの着用義務化”が一部導入され始めている。
当の本人たちは「雨で自然洗浄されてるからむしろエコ」「地球が俺を洗ってる」などと語り、むしろ誇らしげな様子すらある。だが衛生管理局は「湿気が高い環境で入浴を怠ると、菌類の繁殖が爆速」「スメルは黙って拡散する」として注意喚起を強めている。
SNSでは「今日の満員電車、まじで草原(発酵中)」「雨の日に近寄ってはいけない5m圏リスト」などの体験談が次々と投稿されており、すでに“梅雨スメル対策グッズ”市場が急拡大している。
雨は降っても、責任は流れてくれない。
今年の梅雨、獣人界に必要なのは“傘”だけでなく、“自覚”かもしれない。
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