5月4日、連休の真ん中、温泉郷に集まった大型獣人たちのあいだで、今ちょっとした話題となっているのが、湯船に浸かりながら受ける“鍼治療”だ。
施術を行うのは、ハリネズミ獣人のハリ・ニック氏。本人いわく「これは鍼灸でもマッサージでもない、心のバランスを整える儀式」とのこと。実際、その細く鋭い針は温泉の中でも適度な刺激を生み、深部のコリにピンポイントで届く。
「最初は冗談かと思ったけど、刺さった瞬間、体がふっと軽くなったんだ」
そう語るのは、ゾウ獣人のトント・ノセ氏。あまりの気持ちよさに湯の中でうっかり眠ってしまい、全身が茹で上がりかけたという。
この“湯治針”は現在テスト施術の段階で、希望者は事前に体毛の密度や皮膚の厚みなどを診断される。対象種は今のところゾウ、カバ、シロクマの大型獣人に限られるが、今後は小型獣人向けの“足湯針”の開発も進んでいるとのこと。
癒しと再生を同時に叶えるこの技術、もしかすると獣人医療の未来を変える第一歩なのかもしれない。
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