4月22日、獣人界で唯一「ウソツキ」という職業を持っていた白ビーバー獣人・シラッパ氏が、今月初旬より行方不明となっている。
元来、獣人たちは“誠実”を至高の美徳とする種族。だからこそ「ウソ」という概念への耐性が極端に低く、疑うことを知らない。シラッパ氏はその“弱点”を逆手に取り、軽いジョークから「隣町で金の雨が降る」レベルの与太話までで生計を立てていた。
しかし近年は、「子どもが空を見上げ続けて首を痛めた」「エレベーターに乗ったら宇宙に行けると信じて3時間立ち尽くした」など、社会問題化。結果、シラッパ氏は“国家的まぎらわし担当”として指名懲戒処分を受けることに。
獣人界SNSでは、「騙されたけどちょっと笑ったから許す」「でも次見かけたら全力で怒る」と、微妙な温度感で話題に。
最後に残されたのは、彼のメモ帳に走り書きされた一文だけだった。
「次は人間界でウソついてみるか。」
獣人界最後のウソツキは、次にどこで何を仕掛けるのか——。
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