桜の枝を折れば合法的に捕食する。それが獣人界の花見ルール――今年も違反者が相次ぎ問題に

3月28日、獣人界の各地で桜が満開となり、多くの獣人が春の花見を楽しんでいる。しかし、ここ最近、人間界からの観光客によるマナー違反が後を絶たない。枝を引っ張って折ったり、花を強引に持ち帰ろうとする行為が目立ち、周囲の獣人から激しい批判を浴びている。

獣人界では、古くから自然との共存を何より重んじてきた。とりわけ桜などの花木を傷つける行為は重大な違反にあたり、法規上「自然を破壊する者に対しては、捕食による制裁が合法となる」と明文化されている。獣人の立場からすれば、「ここまで注意しているのに、枝を折るなんて論外」なのに、そうした声を無視して行為を続ける人間観光客が後を絶たない。

実際、この3月だけで相当数の人間が“行方不明”になったという報告がある。桜の枝を折ろうとしていた者が肉食獣人に捕らえられ、そのまま捕食されたとの噂がSNSで拡散。ハッシュタグ「#桜を折ると食べられる」が急上昇し、「さすがにネタだろう」と信じたくない人間観光客が現地で実際に枝を折り、後に姿を消していた、という笑えないケースも報告されている。

一部の獣人は、こうした強硬手段に疑問を抱く声もある。「わざと危険に晒したいわけじゃない。ただ、自然を大切にしない行為は重罪と見なしているから仕方ない」という意見が多い。桜の木にとって、枝を無理やり折られることは大きなダメージだし、獣人界の文化からすれば、その罪は決して軽くない。

いずれにせよ、「桜を鑑賞するだけなら大歓迎だが、枝に手を出すのは命懸け」というのが獣人界の厳然たるルール。人間観光客には、その点を肝に銘じてもらわなければ困る。花見のシーズンを安全に楽しみたければ、桜に触れないことと獣人の警告を無視しないこと――この二つが、命を守る秘訣と言えるだろう。