獣人界で急成長を遂げた製造業者、朧鉄機工の研修を終えた新人社員に渡されるという“夜間作業マニュアル Ver.F01”が、あまりに不気味だとSNSで大きな話題になっている。その一部が流出し、まるでオカルトじみた指示の数々に多くの獣人が困惑を隠せない。
夜間作業マニュアル Ver.F01(製造業向け・厳守事項)・Bライン脇の資材棚は現在未使用ですが、定時で在庫が増減している場合があります
・第5制御盤が明滅している際は、配線には触れず報告のみ行ってください
・倉庫管理端末に表示される「操業ログ -E」は、通常非表示です。無視して構いません
・2番搬送路に反応があった場合でも、赤外センサーは再起動せずに電源ごと落としてください
・ロッカールームDに作業着が追加されていた場合、回収処理は行わず記録のみ残してください
・エレベーターBが無人で稼働した場合、どの階にも立ち寄らず次便を使用してください
・午前3時、監視モニターに第三作業区画が映らない場合でも復旧操作は行わないでください
・誰も割り当てられていない作業者ID「M37」からの端末入力があった場合、ログを封鎖してください
・退勤処理済みの従業員が記録上「構内」に残っていた場合、確認せず報告のみ行ってください
・上記いずれの現象にも遭遇した場合でも、口外せず、日報記入欄は空白のまま提出してください
この内容を読んだ新人獣人たちは「もう夜勤に行きたくない」「ホラー映画の脚本か?」と大騒ぎ。無人で稼働するエレベーターや、不可解なID「M37」の存在など、どこか現実離れした設定が並んでいるのに、同社は「あくまで安全を守るための手引き」とコメントするのみだ。
一部のベテラン社員は「確かに夜間、奇妙なことが起きるとされているが、深く詮索しない方がいい」と意味深な言葉を残しており、新人たちの恐怖をさらに煽っている。結局、何が本当で何が単なる“企業の都市伝説”なのか――朧鉄機工の急成長の裏側に潜む謎を、獣人界中が興味津々で見守っているようだ。
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