6月11日、獣人界の各行政施設において、契約書・議事録・給与明細などの重要文書が次々と紛失するという事態が発生した。
調査の結果、原因はヤギ獣人の“つい食べてしまう”習性だったことが明らかに。
もともと紙類に対する耐性のないヤギ獣人たちは、机の上に放置された紙を見ると
「ちょっとだけ……」という気持ちでつい口にしてしまうのだという。
彼ら曰く「白くて四角くてちょっとザラついてるやつ、あれは完全にごはん」
今回特に問題視されているのは、会議中に発生した“無意識食害”。
「書記を担当していたヤギ獣人が自分のメモごと他の議事録まで完食していた」など、行政機能に影響を与えるケースも後を絶たない。
ヤギ獣人の教育委員会ではすでに「紙そっくりの食用代替メモ」の開発に着手しており、「食べたい気持ちは尊重しつつ、業務効率を守る」という折衷案が模索されている。
一方で、紙を食べないヤギ獣人からは「俺たち全員が食べると思うな」という声も上がっており、“食べる派”と“食べない派”による種族内分断も静かに進行している。
SNSでは「書類をPDF化すればいい」「そもそも紙を使うな」「ヤギに責任を押し付けるな」といった
さまざまな意見が飛び交い、食欲と社会性のせめぎあいに注目が集まっている。
次回の会議では、ついに“書類レス会議”の導入が検討される予定だが、
「じゃあ次は机を食べるだけ」と新たな脅威がすでに囁かれはじめている。
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