姿を消したシフゾウ獣人が離島で文明を築いていたことが判明し獣人界に衝撃が走る

5月11日、長年、その存在が“静かに忘れられかけていた”シフゾウ獣人が、実は密かに文明を築き上げていたことが判明した。外縁調査隊のアホウドリ獣人が南方離島の上空を飛行中、偶然にも未知の都市構造を発見。調査の結果、それが消息不明となっていたシフゾウ獣人の集団によって築かれたものであることが明らかになった。

発見された離島には、高層建築に見える植物塔、空中を走る透明な輸送管、そして夜になると音と連動して光を放つ水上都市が存在。使用されていた装置の一部は、獣人界の技術基準を200年以上上回ると推定されている。彼らが用いる言語は音・色・振動を組み合わせた“共感翻訳式”であり、会話というよりも交感に近かったという。調査隊はこの交流に“理解された感覚”を覚えたものの、同時に強い“取り残され感”も覚えたという。

接触に応じたシフゾウ獣人のひとりは、落ち着いた様子でこう語った。「あなたたちがここにたどり着いたこと自体は尊い。でも、たどり着いた理由までは、まだ理解しなくていいと思う」そして島の正確な位置情報を“感覚的に忘れるように”と促し、穏やかに姿を消した。

獣人界では現在、この発見をめぐり議論が加熱している。「草食系だと思っていたら文明系だった」「あの無口、全部知ってた顔じゃん」「消えたんじゃなくて、見えなくなっただけだった」など、SNS上では驚きと感嘆が入り混じった反応が飛び交っている。

なぜ彼らは島へ移住し、どうしてここまでの進化を遂げたのか。技術力を封じ、存在すら秘匿してきたその意図に、今も明確な答えはない。だが確かなのは、シフゾウ獣人たちがただ“文明の先にいた”だけでなく、何かを待っていたということだ。

彼らが選んだのは隔絶ではなく、静かな観察。そしてその観察は今なお続いている。私たちが追いつこうとする限り、彼らは決して完全には去らない。

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