全裸通勤容認へ？“毛皮は服”論争、ついに決着か

ついに獣人界で物議を醸していた「服装義務の是非」が、社会全体を巻き込む議論に発展している。
きっかけは、ウシ獣人のモーリ・カウ氏（38）が提出した陳情書――「我々の毛皮は天然のスーツ。衣類の着用を強制するのは毛への冒涜である」。

これに対し、服飾業界からは猛反発。「では私たちの職はどうなる」「靴下の売上が2年連続で0なのにさらに追い打ちか」などの切実な声も。

しかし世論の風向きは変わりつつある。
「裸で失礼だなんて、人間の発想でしょ？」（ラッコ獣人・30代）
「この季節、服を着るほうが不自然」（イヌ獣人・20代）
という声が支持を広げており、すでに公共施設での「毛皮通勤」は一部解禁され始めている。

ただしトラブルも。
ある日、空調の効いた美術館でヌートリア獣人が毛づくろいに没頭し、美術品と間違われて展示されてしまうという騒動も発生。
「本人も作品名のプレートを受け入れていた」との証言もあり、服をめぐる議論はもはや哲学の域に達している。

「着るか、着ないか」ではなく「なぜ着るのか」を問われる時代に。
毛皮か布か、その選択が明日の自分をつくるかもしれない。