6月24日、獣人界チューゴー区で、ビーバー獣人による過剰な建築活動が問題となっている。
問題の中心人物は若き建築士・ガリモ・ダム氏(34歳)。
彼は水辺を整備する公共事業の一環として、ダムや橋、運河などの設計・施工に関わっていたが、
「美しさと流れの調和を極めたい」との信念から、住宅街のど真ん中に9連ダムを建設。
その結果、水流は完全に制御不能となり、一部地域では水位上昇による冠水被害も発生。
イタチ獣人の住民エヌ・スリ氏は「出勤しようとしたら玄関が水面でした。今日は在宅勤務します」と苦笑い。
ビーバー獣人の建築技術は世界的に高く評価されており、特に木材と泥のミックス技法は無形文化財にも指定されている。
しかし今回のように「情熱が構造を越える」事態は極めて稀であり、
獣人庁も「美学と公共性の両立が必要」として再発防止に動き出した。
ガリモ氏は現在も建築現場に残り、反省の意を込めて自作の“反省塔”を建設中。
なお塔の高さはすでに20メートルを越えており、「そろそろ止めてください」と近隣から切実な声も。
建築は想いを形にする行為。
だが、形にした瞬間からそれは“他者の生活”にも関わる存在となる。
美しい街は、設計図の中ではなく、対話の中から生まれるのかもしれない。
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