なんでスカルクラッシャーなの?
- 上腕三頭筋をダイレクトに狙える王道アイソレーション。特に長頭へのストレッチ刺激が強く、太さづくりに直結。
- ベンチプレスやOHPのロックアウト強化にも有効(押し系の失速ポイントを底上げ)。
- バリエーションが豊富で、肘の違和感に合わせて安全に調整しやすいのも長所。
どこに効く?(狙いのポイント)
- 主働:上腕三頭筋(長頭・外側頭・内側頭)
- 狙い分けのコツ
- 長頭を厚く:肘をやや頭側に倒し、ボトムでストレッチを稼ぐ(後述の“頭上・後頭部側に下ろす”バリエ)
- 外側頭の張り感:肘を体側へ軽く絞る、テンポ速めの中〜高回数
グリップ・手幅・肘の角度
- バーの種類:EZバー推奨(手首に優しい)。ストレートバーは手首負担が出やすい。
- 手幅:肩幅前後が基本。狭すぎると手首・肘に負担。
- 肘の向き:やや内側へ絞る(体側へ30°程度)。真横に開きすぎると肩&肘にストレス。
- 手首:立てる(反らせすぎない)。バーは掌の母指球寄りに乗せ、前腕と一直線。
1レップの流れ(EZバー/フラットベンチ)
- セットポジション
肩甲骨は寄せ下げで胸を高く。肘は肩の真上よりわずかに頭側へ(負荷を三頭に乗せやすい)。 - 下降
2〜3秒でコントロールして下ろす。- 〈額に下ろす版〉:額〜眉間あたりへ真っ直ぐ。
- 〈頭上(後頭部側)に下ろす版〉:頭上10〜20cmへ弧を描き、長頭が伸びる位置で軽く止める。
- ボトム
反動は使わず0.5〜1秒静止。肘は一点で保ち、肩は前に出さない。 - 挙上
前腕で突き上げるのではなく、肘を伸ばす意識。トップで肘ロックし切らず張力を残す。
キュー:肘は一点固定/手首は立てる/小指側で押し返すイメージ
可動域・テンポ・呼吸
- 可動域:痛みゼロの範囲で深め。長頭狙いなら“頭上側に下ろす”版でストレッチ重視。
- テンポ:3-1-1(下ろし3秒・底で1秒・上げ1秒)。まずはコントロール最優先。
- 呼吸:下ろしで吸い、ボトムで軽くブレーシング→押し切って吐く。
よくあるミスと修正
ミス | ありがち原因 | 修正キュー/ドリル |
---|---|---|
肘・手首が痛い | 手幅が狭い/手首反り/ストレートバー | EZバー+肩幅/手首を立てる/ケーブル版へ切替 |
肩に入る | 肘が外へ開く/肩甲骨がほどける | 肘30°内側/寄せ下げ固定/ニュートラル寄りグリップ |
額でバウンド | 重量過多/テンポ速すぎ | 3-1-1に戻す/1.5レップでコントロール習得 |
トップで負荷が抜ける | 肘をロックし切る | ロック一歩手前で反転(張力維持) |
肘が動く(回遊) | 三頭の弱点補正で肩が関与 | ダンベル版で左右独立→ケーブルで軌道固定 |
バリエーション(肘を守りつつ効かせ切る)
- EZバー to 額:基本形。中重量でフォーム習得に◎
- EZバー to 頭上(後頭部側):長頭ストレッチ最大化(負荷はやや軽めに)
- ダンベル・スカルクラッシャー:左右差修正、手首が楽。ニュートラル寄りが安全
- インクライン・スカルクラッシャー(15〜30°):肩が楽で可動域が増える
- ケーブル・ライイングエクステンション:トップでも張力が抜けにくい(肘が楽)
- PJRプルオーバー:プルオーバー+三頭伸展のハイブリッド。長頭狙いの最終兵器
- JMプレス:ナローベンチとスカルの中間。ロックアウト強化向け(肘は深追いしすぎない)
セット×レップの処方(目的別)
- 筋肥大メイン:8〜12回 × 3〜5セット(RIR1〜3/休憩60〜90秒)
- 仕上げのパンプ:12〜20回 × 2〜4セット(ケーブル/ダンベル)
- ロックアウト強化:6〜8回 × 3〜4セット(JMプレス or ケーブル重め)
週あたり目安(三頭の“押し系”合計):12〜20セット内に(ベンチ・OHPを含む)。
進め方(ダブル・プログレッション)
同重量で上限回数×全セット達成→+1.25〜2.5kg。
肘の張りが出たら重量据え置きで回数だけ伸ばす週を挟む。
ウォームアップと肘セーフティ
- ローププレスダウン 軽め 15回 × 2(血流を入れる)
- 軽ダンベル・スカル 12回 × 1(可動域確認)
- 外旋・前腕ストレッチ(各10〜15回)
- 原則として反動・バウンド禁止/急な高重量は入れない。違和感が続く日はケーブル版へ即切替。
他種目との組み合わせ(胸・肩デーの中で)
- 胸Day(例)
ベンチプレス 5×5 → インクラインダンベルプレス 4×10 → スカルクラッシャー 3×10–12 → ローププレスダウン 3×15 - 肩Day(例)
OHP 4×6–8 → サイドレイズ 4×12–15 → スカルクラッシャー 3×8–12 → オーバーヘッドエクステンション 3×12–15
“効かせ切る”テク
- ボトム1秒ポーズ:長頭へストレッチ刺激を確実に
- 1.5レップ:下→半分上げ→下→フル(中間域の張力キープ)
- トップ短縮:ロック一歩手前で反転し、張力を逃がさない
- ケーブル仕上げ:最後にケーブルで15〜20回、張力を残したままパンプ
よくあるQ&A
- Q. 肘がすぐ痛くなる
A. EZバー/ダンベル/ケーブルの順に“肘に優しい”。手首を立て、手幅は肩幅へ。回数レンジを10〜15回に上げ、テンポ管理で。 - Q. 額と頭上、どっちが良い?
A. 額=フォーム安定、頭上=長頭ストレッチ特化。両方使い分けが最強。 - Q. ベンチが伸びる?
A. ロックアウト弱点なら効果大。スカル+JMプレス+プレスダウンの三本柱が鉄板です。
1分チェックリスト(保存版)
- EZバー/肩幅グリップ/手首は立てる
- 肘は体側へ30°内側・一点固定
- 下ろし3秒・底1秒・反動なし
- トップでロックし切らず張力キープ
- 違和感が出たら即ケーブル/ダンベルへ切替
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