1月25日、獣人界のコケコッ公国で行われるはずだった裁判が、開廷早々に謎の展開を迎え、わずか数分で終了した。驚くべきことに、裁判に関わる全員が記憶を失い、いったい何を訴えたくて集まったのかを完全に忘れてしまったのだ。
この日は、コケコッ公国の裁判所にて、ある事件の公判が行われる予定だった。裁判長はじめ、検察官、弁護士、被告人、さらには傍聴席に座る面々まで、総じてニワトリ獣人だらけ。もともとコケコッ公国はニワトリ獣人が多数派を占める国で、“裁判のたびに「何を裁くのか」を忘れそうになる”との噂が流れるほどだが、今回ばかりは桁違いだったようだ。
開廷のベルが鳴ると同時に、裁判長のニワトリ獣人が威厳ある様子で着席し、「それでは…えーっと…ここはどこ? ていうか、なぜみんな集まってる…?」と首をかしげた。彼を見た弁護士役のニワトリ獣人や検察側のニワトリ獣人も同じように、「あれ、これは何の場面でしたっけ?」「あっ、忘れちゃった…」と首を傾げ、法廷は混乱に陥るどころか、彼ら自身が何が起こっているかさっぱりわからない状態に。
傍聴席にいた他のニワトリ獣人たちも、途端に「なんで集まったんだろう?」と顔を見合わせる始末。結局、裁判に関係する誰一人として訴状の内容や罪状、さらには被告人が何をしたのかすら思い出せず、法廷はあっけなく解散。その瞬間には、皆が一斉に「コケッ…?」と不思議そうに鳴き声を上げるだけだったという。
SNSでは「#ニワトリ裁判」「#一瞬で終わった」「#いったい何の裁判だったんだ?」とハッシュタグが急浮上。事の顛末を聞いた獣人たちは、「ニワトリ獣人の日常はこんなにゆるいのか」「裁判も記憶力が命だよね」「可愛いけど、問題は解決したのかな…?」などと盛り上がっている。
コケコッ公国の法律専門家は「以前から、ニワトリ獣人は短期的な記憶が苦手とされてきたが、ここまで盛大に忘れられるのは珍しい」と苦笑いし、「裁判のやり直しを検討するとしても、当人たちがまた同じメンバーなら、結果は同じかもしれない」と語った。まさに“前代未聞”の一幕といえそうだ。
こうして、謎のまま閉廷となった裁判。何がどうなってこうなったのか、第三者の立場から見ればちょっとおかしくてほほえましい光景だが、実際の被害者や被告人(だったはずの獣人)にとっては「納得いかない」結末かもしれない。今後、ニワトリ獣人が集まる法廷は、どんな対策を講じるのか――獣人界のネット上でもさまざまな議論が巻き起こりそうだ。
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