カメ獣人の登校、授業が終わるころに到着 “速度格差”が教育制度を揺らす

6月13日、獣人教育委員会は、特定獣人における“移動速度による教育格差”の是正について緊急会議を開いた。
とくに問題視されているのが、カメ獣人たちの「時差登校」だ。

「朝6時に家を出たのに、3限目の終わりにようやく校門に到着した」
そう語るのは、カメ獣人の中学生モッサリ・カノメくん(14)。
学校までは直線距離でわずか1.2キロ。それでも“歩くより考える方が早い”といわれる彼らには、
通学とはもはや遠征であり試練なのだ。

学校側も対策に乗り出している。
一部では“校内に自宅を建てる”制度の試験導入が始まりつつあるが、
「もはや通学ではなく移住」「それでも遅刻するのでは」といった意見も噴出。
教育現場は混乱している。

一方で、こうした“遅さ”を逆手に取ったアイデアも生まれている。
先日、通信制高校のカリキュラムに“カメ専用ゆっくりモード”が導入。
「週5日で1単位取得」という超長期スパンで、カメ獣人たちがじっくりと学びに向き合える仕組みが整い始めている。

SNSでは「速さがすべてじゃない」「深さで勝負するカメ族すこ」などの声も多く、
“のろさ=劣っている”という固定観念の見直しも始まっている。

教育とは何か、速度とは何か。
カメ獣人たちの歩みが、今、獣人界の“急ぎすぎた価値観”に問いを投げかけている。

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