イノシシ獣人の“突進税”が可決され怒号と拍手が入り混じる事態に

5月13日、獣人界中央議会にて、イノシシ獣人に対して「年間突進回数に応じた課税制度」を導入する法案、通称“突進税”が可決された。施行は来月から。対象は1年に3回以上“無許可の突進”を行った獣人で、回数ごとに累進課税される仕組みとなっている。

議案提出の背景には、昨今の突進トラブルがある。信号無視、飲食店への勢いある入店、公共施設での“止まれず壁ごと突き破り事故”など、生活の随所でイノシシ獣人による突進被害が報告されていた。ある市民は「図書館の静けさが彼らの足音で全部吹き飛ぶ」と涙ながらに訴えたという。

だが当然ながら、イノシシ獣人側は猛反発。「突進は自己表現だ」「税で止められるくらいなら最初から走らない」と語る個体もおり、法案通過後には議会前で抗議の“低速突進デモ”が行われた。ただしあまりにゆっくりだったため、歩行者にすんなり追い越されてしまい、本人たちも途中で目的を見失ったという。

一方、政府側は「突進のエネルギーを無償で放出させるのは損失。社会的エンジン税の一環」と説明しており、今後は“突進申告用アプリ”のリリースも予定されている。開発画面にはすでに「衝突物の材質選択」「怒り/喜び/衝動の理由選択」など細かすぎる入力項目が存在し、「突進を報告する頃には突進する気がなくなる」懸念も出ている。

SNSでは「走るたびに課税されるなら通勤できない」「逆に“黙って歩いたら減税”のほうがよくない?」など制度設計へのツッコミが続出。「突進回避訓練士」や「滑りやすい床の施工業者」が注目されるなど、突進経済圏も静かに活性化している。

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