4月10日、獣人界のヨットレースとして最高峰に位置づけられる「ヴァンデ・ファング(VanDe-Fang)」がついにスタートした。この大会は、人間界でいう「ヴァンデ・グローブ（Vendée Globe）」の獣人版とも呼ばれ、一人乗り・無寄港・無補給で世界中の海を巡る超過酷なレースを特徴とする。外部からの支援は一切禁止され、航路は自由。まさに海洋冒険の極地を競う大会だ。
昨年優勝を果たしたのは、ワニ獣人のクロッカル。一見のんびり屋に見えながら、強靭なアゴと鋼のメンタルを武器に荒波を切り抜け、スピードと持久力の両方で他のヨットを圧倒した。今年も「再び戴冠を狙う」と意気揚々と出航。すでに海上の強風や荒れ模様を物ともせず、スムーズなスタートを切ったと報じられている。
この「ヴァンデ・ファング」では、人間界のヴァンデ・グローブ同様、参加者は大海原を単独で航行しなければならない。大陸沿いの港に寄ることはもちろん、他者からの物資提供も禁止。唯一可能なのは、通信機器で天候情報を得る程度だ。完走までに数十日どころか、速い者でも70日以上かかるため、獣人たちはいかに自分自身を鼓舞し、トラブルを解決しながら進むかが鍵を握る。
SNSでは「#VanDeFang」「#海の獣人たち」「#再びワニ天下か？」などのハッシュタグが盛り上がり、海洋好きや冒険心あふれる若き獣人たちが、どの選手が先頭を走るのか、どんなドラマが生まれるのかを固唾をのんで見守っている。船上での孤独や天候との戦いは過酷を極めるが、同時に獣人界最高の名誉が待つ舞台でもある。
果たしてクロッカルが連覇を成し遂げるのか、それとも新たなスターが誕生するのか――決着がつくのは最短でも70日後。波乱に満ちた海のレースは、獣人界の関心を一手に集めながら、今日も続いている。
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