「えっほえっほえっほえっほ…バナナは美味しいって伝えなきゃ」
この不思議なフレーズと可愛らしい音声で、突如SNSを席巻したのが、ゴリラ獣人のウホキュー・ゴリ氏。
軽快なリズム、甲高く響く「えっほ声」、そして最後のバナナへの真剣な訴えに、多くの人間界ユーザーが虜となり、動画は累計再生数3400万回を突破した。
だが、先日。
その“中の獣人”としてイベントに登場したウホキュー氏の実物を見て、現場は一瞬で騒然となった。
身長2メートル超、筋骨隆々、圧倒的な毛並みと風格。
静かに佇むその姿は、「えっほ」の可愛らしい印象とはまるで別人だった。
「まるで大将の風格」「バナナ食べるっていうより、バナナ畑ごと持ち帰りそう」
来場者の反応は困惑から畏怖へ、そしてじわじわと笑いへと変わっていった。
本人はというと、
「声は加工してあるからね。あれは広報用。普段はもっと低音で喋るよ」
と語りながら、バナナを房ごと一口で平らげていたという。
ウホキュー氏は、獣人界でも知られる“食育伝道師”。
あの動画も、バナナ離れが進む若年獣人たちに向けた教育素材だったのだ。
獣人界では今回の騒動をきっかけに、「見た目と声のギャップ文化」への関心が急上昇。
SNSでは「次はラップ調で」「えっほクラブミックス版希望」など、さらなる展開を期待する声も広がっている。
取材の最後、ウホキュー氏は静かにこう言葉を残した。
「ギャップがあるのは、悪いことじゃない。
それが、記憶に残るってことだからね。……バナナもね」
見た目は迫力満点、中身は優しさ全開。
獣人界からやってきた“えっほの伝道師”は、今日も静かに歩いている。
バナナを片手に。
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